平安時代の貴族・藤原道長は、
摂関家として権勢を誇り、
当時の日本を象徴する人物です。
しかし、その栄華の裏側には晩年の病苦があり、
特に糖尿病に苦しんでいたとされています。
彼の晩年の生活や症状、
家族に見られた遺伝的要素について掘り下げてみます。
藤原道長の人生は本当に幸せな人生だったのでしょうか?
藤原道長の糖尿病の症状
藤原道長が晩年に経験した症状には、
のどの渇きと多飲、体重減少、視力障害、
そして傷の治りが遅くなるなど、
糖尿病特有のものが見られます。
当時はもちろん糖尿病の概念は存在せず、
病名として記録はされていませんが
彼の病状は糖尿病の特徴に当てはまります。
歴史的資料『小右記』には、
道長ののどの渇きによる大量の水分摂取や、
急激な痩せと体力低下、背中の腫れ物、視力低下が記されており、
これらの症状が彼の苦しみを物語っています。
50歳以降に始まった体調不良
道長が体調不良を感じ始めたのは
50歳を過ぎてからとされます。
『小右記』にあるように、
彼は大量の水を飲んでのどの渇きを癒し
体重の急激な減少や視力の衰え、
さらには大きな腫れ物にも悩まされました。
糖尿病の典型的な症状が見られることから、
彼が糖尿病を患っていた可能性が
高いと考えられています。
道長の身に起きた変化は、単なる老化とは異なり、
体の不調が深刻だったことがうかがえますね
モミジは医者ではないのですが、上記の症状があれば現代人であれば多くの人が糖尿病を疑うのではないでしょうか
藤原道長の家族に見られる糖尿病の原因
藤原道長の糖尿病の原因として考えられる要因はいくつかあります。
遺伝的要因による糖尿病
道長だけでなく、彼の家族にも糖尿病の症状が見られることから、
遺伝的要素が関与していた可能性が考えられます。
叔父や兄、甥、さらには孫も同様の症状で亡くなっており、
藤原家が糖尿病に対して
遺伝的な影響を受けやすい体質であったかもしれません。
貴族の食生活が病気の原因の一つ
藤原道長の糖尿病に影響を与えたと考えられる食べ物には、以下のようなものがあります。
- 白米:
平安時代の貴族たちは白米を主食としていました。
白米は精製された炭水化物であり、
血糖値を急激に上昇させるため、
糖尿病のリスクを高めることに。
「光る君へ」に出てくる食事のシーンに
どでかい白米のてんこ盛りがよくでてくるけど
本当にあんなにたくさん白米をたべていたんですね。
庶民はおそらく玄米か雑穀米かな。庶民の方が健康的な食生活をしていたのかも
- 甘い酒:
甘酒やその他の甘い酒類は、
糖分が多く含まれており、
これも血糖値を上昇させる原因に。
ドラマでも道長が毎回酒を楽しむシーンが描かれていますね。
また、平安貴族の様子が描かれた絵の男性はみな太っているし。
お酒を飲むことを風流とし、よもや自分たちの寿命を短く知るとは思いもよらなかったのかもしれませんね。
2.揚げ菓子:
貴族たちは揚げ菓子を好んで食べていました。
これらの菓子は高カロリーで高糖質なため、
糖尿病のリスクを高める要因になりえます。
2,保存食:
干物や塩漬けなどの保存食も多く消費されていました。
これらは塩分が高く、
血圧の上昇や腎臓への負担を引き起こし、
糖尿病の合併症を悪化させる可能性が。
これらの食べ物が、藤原道長の糖尿病発症に寄与したと考えられます。
彼の贅沢な食生活が、健康に大きな影響を与えたのです。
飽食の時代と言われる現代もある意味、平安時代の貴族とどこか似た食事をしているのかもしれませんね。炭水化物(特に甘いもの)の摂取は体に悪いとわかっている現代でもやめられない。モミジも甘いものセーブには苦労しています。
ストレス
政治的な権力闘争や家族内の問題など、
道長は多くのストレスを抱えていたと考えられます。
ストレスは糖尿病の発症リスクを高める要因の一つです。
1000年たってもストレスは万病のもと。
気楽にいきていきたいものですね。
道長の晩年と糖尿病との壮絶な闘い
道長は晩年、病気の影響で体力を失い、
視力も大きく低下しました。
最終的に、糖尿病による合併症のために62歳でその生涯を閉じました。
彼の権勢と栄光の影には、
常に病との闘いがありました。
健康が衰える中でも権力を手放さなかった道長ですが、
華やかな地位や名声に比べて、
その晩年の生活は非常に苦しいものだったようですね。
藤原道長の最期の様子
最期の様子
道長は1027年に法成寺での生活を始る。
その後も病気が悪化し、
1028年には背中に大きな腫れ物ができ、
これが原因で62歳で亡くなりました。
彼の最期の様子は
周囲の人々が経を読み上げる中で
静かに息を引き取ったとされています
大きな腫物とは
感染症:
糖尿病の影響で免疫力が低下し、
感染症にかかりやすくなっていた可能性があり。
これにより、皮膚や軟部組織に感染が広がり
腫物ができたと考えられます。
皮膚がん:
糖尿病患者はがんのリスクも高まるため、
皮膚がんが原因で腫物ができた可能性もあり。
糖尿病性潰瘍:
糖尿病による血行不良や神経障害が原因で、
皮膚に潰瘍ができ、
それが腫物として現れた可能性があるそうです。
いずれにしても尋常な痛みではなさそうですね。
藤原道長は確かに最高権力者として、
全てを手に入れたようですが、
健康な体だけは手に入れることができなかったようですね。
でも、もしかしたら藤原道長にとっては健康より、権力の方が大事だったのかもしません。
権力が彼が生きた証なのですから。権力とはそれほど魅力的なものなのかも。