「光る君へ」では藤原彰子の懐妊を願う藤原道長の姿が。
そして、待ちに待った懐妊。
懐妊後も安産祈願のため「光る君」法華三十講を行っている。
個々ではその法華三十講について調べました。
それにしても
藤原道長のなみなみならぬ執念が凄すぎ。
藤原道長が法華三十講の背景
法華三十講とは
法華三十講とは、
藤原道長が一条天皇の中宮である
娘の彰子(しょうし)の
無事な出産を祈って行った法要です。
彰子の出産は、藤原家だけでなく、
国家全体の関心事であり、
道長は特別な思いを込めて
この儀式を行いました。
この法要は、1008年(寛弘5年)
4月23日から5月22日までの30日間にわたり、
毎日朝夕2回ずつ行われました。
法華三十講の内容
法華三十講では、以下のような儀式が毎日行われていました。
読経
毎日、朝夕2回にわたって法華経の一部が読誦され、
全28品を30日間で読み終える計画でした。
これにより、
法華経全巻の功徳を彰子の安産に結びつけようとしました。
供養
仏像や経典に対して
花や香、灯明、食物などを捧げる供養が行われました。
これは、仏教の教えに基づき、
功徳を積むための重要な儀式です。
祈願
この法要の目的は、
彰子の無事な出産を祈ることでした。
道長は娘の安産を強く願い、
毎日の読経と供養を通じて、
その祈りを天に届けようとしました。
講師の講話
法華経の教えについての講話が、
僧侶によって行われました。
参加者に対し、
法華経の意義や功徳が説かれ、
儀式の宗教的な深さを伝える重要な機会となっていました。
5月5日の「五巻日」の重要性
法華三十講の中でも、特に**5月5日の「五巻日」**は重要な日とされました。
この日は、
法華経における女人成仏(女性が成仏すること)の功徳が説かれる日で、
多くの公卿や僧侶が参加しました。
道長は、この法要の期間中、
娘を案じて夜も眠れず、
庭をさまよい歩くほど心配していたという逸話も伝えられています。
「五巻日」に行われた内容
「五巻日(ごかんのひ)」は、法華経の第5巻を講読する特別な日です。
この日は特に「提婆品(だいばほん)」が講説され、
悪人成仏や女人成仏について説かれます。
具体的には、以下のような内容が行われます:
- 法華経の講読:
法華経の第5巻を中心に講読し、
その教えを深く理解します。 - 提婆品の講説:
提婆品の内容について詳しく説明し、
悪人成仏や女人成仏の意義を学びます。 - 特別な供養:
この日に合わせて特別な供養が行われ、
参加者が心を一つにして祈りを捧げます。
願いが叶った彰子の出産
この法華三十講には、
彰子の安産を願う深い祈りが込められており、
その願いは見事に叶いました
彰子は同年9月11日に、
後の後一条天皇となる敦成親王を無事に出産します。
この出来事は、
道長の父としての強い思いと祈りが形となった象徴的な瞬間でした。
藤原道長の深い愛情と信仰
藤原道長の法華三十講は、
単なる宗教儀式に留まらず、
父親としての深い愛情と祈りが表れたものでした。
この儀式は、
平安時代の貴族社会における信仰と家族の関係を
象徴するものとしても重要な意味を持っています。
藤原道長が込めた法華三十講と安産祈願の思い
藤原道長が、娘の安産を強く願い、
夜も寝られず
庭をさまよい歩くほど
心配していたことを思うと、
権力を盤石なものにしたいというより
最後の最後は
娘の無事な出産を願う父親としての深い思いが
法華三十講には込められていたかなーと
想像せずにはいられません。
藤原彰子の出産に関しては
次のブログで書いています。
よろしければ覗いてみて下さい。