ドラマ「光る君へ」に登場した、
三条天皇が飲んだ目の薬「金液丹」。
不老不死の薬といわれる一方
多くが中毒死しています。
その背景には興味深い歴史が隠されています。
三条天皇が即位してから3年目の長和3年(1014年)、
彼の目や耳の不調が深刻化していく中、
当時の医療や政治的な背景が浮かび上がります。
眼病と不老長寿の秘薬「金液丹」
三条天皇が使用した薬は、
中国から取り寄せたとされる「金液丹」という秘薬でした。
この薬には「硫化水銀」が含まれており、
当時の中国では不老不死の効果があると信じられていました。
実際に、紫式部ゆかりの石山寺の公式SNSでも、この薬について
「眼病治療のための薬であるが、
同時に不老長寿の効果があると考えられていた」
と解説されています。
石山寺の公式SNSにアクセスするには、以下のリンクを利用できます:
これらのリンクから、石山寺の最新情報やイベント情報をチェックできます。
金液丹の特徴
成分:
金液丹は、主に硫化水銀(丹砂)を原料とし、
これを液体状にしたものです
。また、他の成分として硫黄や鉛などが含まれることもあります。
効能:
古代中国では、金液丹が不老不死の効果があると信じられていました。
しかし、実際にはこれらの成分は人体に有害であり、
多くの皇帝や貴族が金液丹の服用によって命を落とした記録があります
時代を考えると仕方ないと思うのですが、
本当に恐ろしいことですね。
不老不死という究極の人間の欲を求めた結果とも言えますね。
「欲を追い求めすぎ」を戒める良い例だとモミジは思います。
「金液丹」の歴史的背景
金液丹は、古代中国の道教や錬丹術の一部として発展しました。
道教の思想に基づき、
外的な物質を用いて不老不死を追求する「外丹術」と、
内的な修練を通じて不老不死を目指す「内丹術」が存在しました。
金液丹の使用は、特に唐代の皇帝たちの間で流行し、
多くの皇帝がこの薬を服用しましたが、
その多くが中毒死したとされています。
金液丹についての詳細な情報は、こちらやこちらで確認できます。
平安貴族も「金液丹」を服用していたのか
平安時代の貴族たちは金液丹を
服用することがありました。
特に、平安時代の天皇や貴族たちは、
不老不死や健康を求めて錬丹術に興味を持ち、
金液丹を含むさまざまな薬を試みました。
「金液丹」を服用の具体例
三条天皇:
三条天皇は、視力の低下に悩まされており、
金液丹を服用していました。
しかし、金液丹には水銀が含まれており、
長期間の服用は健康に悪影響を及ぼすことがありました。
最高権力者であるがゆえに、高価な薬を手に入れ、服用。
それが、死につながるというのは不思議な話ですね。
藤原道長も服用:
道長は、自身も服用していたとされますが、
当時は水銀の有害性が知られておらず、
信じられていた効能によって服用が広まっていたようです。
他の貴族たち:
多くの貴族も、健康や長寿を願って金液丹を試みましたが、
その成分が有害であることが次第に明らかになり、
服用を控えるようになりました。
化学的な成分分析ができなかった時代。
人々の経験だけが、薬の効用を示すものだったのでしょう。
この時代、薬を服用するというのは大きなリスクと隣合わせだったのですね。
道長との政治的緊張
三条天皇は中宮・藤原妍子との間に姫皇子が誕生しましたが、
これに失望した藤原道長は、
三条天皇に譲位を迫ります。
その際、三条天皇は親しい側近である藤原実資に
「毒でも盛られるやもしれぬ」と相談しました。
この言葉が示す通り、天皇が服用した薬「金液丹」は
道長から渡されたものであり、
天皇はその薬に不安を抱きながらも、
効果に期待していたことがうかがえます。
三条天皇も薬のリスクは薄々感ず居ていたのかもしえれません。
しかし、日々衰えていく視力を感がえると、この薬を飲むという選択肢しかなかったのでしょう。最高権力者でありながらなぜかかわいそうですね、
三条天皇の死因は金液丹の服用によるものか
三条天皇の死因については、
金液丹の服用が一因である可能性が指摘されています。
歴史的な背景や当時の医療技術を考慮すると、
金液丹の服用が三条天皇の
死因に寄与したと考えるのは合理的です。
三条天皇と不老長寿の秘薬「金液丹」—治療薬に潜む危険と政治的背景
三条天皇が服用した「金液丹」は、硫化水銀を含む薬で、
不老長寿の効果があると信じられ、当時の中国で流行しました。
平安時代の貴族にも広まり、
三条天皇は眼病治療を目的に服用しましたが、
水銀の有害性は知られておらず、
多くの皇帝や貴族が健康被害を受けました。
三条天皇は道長からこの薬を提供されましたが
譲位の圧力を感じていたため、
毒への不安を抱きつつも薬の効果に
期待していたとされています。
藤原道長自身も服用していたという事実を考えると
あえて三条天皇を道長が殺害しようとしていたとは考えられませんね。
しかし、三条天皇は目が見えなくなり譲位せざるを得なくなる。
藤原道長という人は、権力の座で生き続けることを運命付けられた人のようにモミジには思えるのです。